安全衛生コンサルタント・技術士 波多野 彦一 |
はじめに、福島第一原発事故では、自身、津波発生時に(非常時に)、原子炉炉心冷却用の非常発電機が起動せず、炉心冷却等が出来ず、続いて、大事故、(炉心損傷・・・・)の連鎖が続いた。原子炉設備計画時のリスクマネジメントが、的確に実施されていなかった事になる。詳細原因は、現在、調査分析が進められている。そして、情報が公開される。結果として、あらためて「大規模機械設備のリスクマネジメントの難しさ」を認識する。次に、これと関連して、神戸港、埠頭会社での大型機械設備(大型クレーン設備等)のリスクマネジメント活動が的確に行われた事例をとりあげる。(約2年前)
まず、当事業所の経営者、管理者から、大型機械設備の設備保全と安全管理の予防管理方式の進めから推進について、当方に依頼があった。 大型機械設備(アンローダ関連、穀物サイロ、大型コンベヤー等)のメンテナンス、リスクマネジメントについて、まず、ねらいとして、コンテナーセンター全体の機械事故を起こさないBDM方式(損傷起こした後、メンテする)から、TPM方式(リスクベースメンテナンスPBM)(リスクベースインぺションRBI)へ、リスク発見、リスク特定、リスク低減を進めた。過去の機械のトラブル事例を、データベース化し、リスクMAPにし、現状と対比しながら、リスク発見、リスク特定、リスク低減へとすすめた。安全・衛生管理でのリスクアセスメントも進められた。 ①ロボット・パレタイジング作業のリスクアセスメント ②パレットはい積み作業のリスクアセスメント ③粉じん障害防止、粉じん爆発のリスクアセスメント ④コンベヤラインの騒音リスクアセスメント等「リスクの発見、特定」には、それぞれの領域(安全、衛生、設備管理)の過去の事例(自社、他社)をベースにし、有効利用を計った。 企業マネジメントのレベルアップとしてISO9001(QMS)ISO14001(EMS)、認証取得し、更に(OSHMS)へ、又、今回の改善を契機に、ISO31000(RISKMS)への取り組みも進められている。 会社全体の「危機管理」では、震災時の津波予防対策も入れられている。 大型機械設備のリスクマネジメントは、実際的には、難度が高い所もある。しかし、一歩、一歩、(PDCA)を回して、「マネジメント方式により、的確に、改善のレベルアップを計ることが大切である。 |