登録教習機関情報
(一社)兵庫労働基準連合会は、労働安全衛生法第77条に基づく兵庫労働局長に
登録教習機関としての更新を行い、下記の通り登録更新されています。登録更新
は5年ごとで、現在の登録有効期間は平成31年3月30日(ただし安全衛生推
進者、衛生推進者は平成31年9月14日)までです。なお、修了証の有効期間
はございません。
登録した技能講習
フォークリフト運転技能講習(兵労基安第17号)
玉掛け技能講習(兵労基安第22号)
高所作業車運転技能講習(兵労基安第177号)
安全衛生推進者養成講習(兵労基安登録第1号)
衛生推進者養成講習(兵労基衛第1号)
Q 当社社員が、2週間以上も無断で欠勤を続けており、会社の担当者や幹部が本人に出勤するように電話や自宅訪問による督促をしていますがこれに応じません。正当な理由があればまだしもそのような理由もない無断欠勤であり、このままでは企業の秩序を保つ上で問題であると考えておあります。 当社就業規則において、無断欠勤の場合は懲戒解雇か、普通解雇に処する旨の定めもありますので、その社員の解雇を検討しています。 このような場合でも、解雇するには労働基準法第20条により30日以上前に解雇を予告するか平均賃金の30日分以上の解雇予告手当支払のいずれかが必要だと聞きましたが、本当でしょうか。また、本件のような労働者の責めに帰すべき事由がある場合には、何か例外の定めはないのでしょうか。 |
A まず、解雇について定めた労働基準法第20条をご紹介します。 (解雇の予告) 第20条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天才事変やその他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りではない。 前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができす。前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。 「前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。」とあるのは、「その事由について行政官庁の認定を受けなければならない」という意味です。 解雇である場合にはその解雇が普通解雇か懲役解雇かを問わず、本条が適用されます。 したがって、ご相談にありますように懲役解雇または普通解雇をする場合でも30日以上前の解雇予告か30日分以上の解雇予告手当支払は必要です。 労働基準法第20条の但書に「労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りではない」とあり、「その事由について行政官庁の認定を受けなければならない」定めがあります。 つまり、本件ご相談のように社員(労働者)の責めに帰すべき事由(本件ご相談の場合は、無断欠勤)がある場合で解雇予告も解雇予告手当の支払も行わず、即時に解雇する場合はあらかじめ「解雇予告除外認定申請書」を社員の所属する事業場を管轄する労働基準監督署長に2部提出して、「解雇予告除外認定」を受けなければなりません。「労働者の責めに帰すべき事由がある」という疎明資料も必要になります。労働基準監督署が調査して、認定か不認定を決定します。当然のもとですが、認定基準に該当しなければ、不認定になります。 申請に際しては、事業場を管轄する申請先の労働基準監督署でどのような疎明資料が必要かなどを事前に相談されてはいかがでしょうか。 認定基準については、昭和23年11月11日付け基発第1637号、昭和31年3月1日付基発第111号により示されていますのでご紹介します。 労働者の責に帰すべき事由とは、労働者の故意、過失又はこれと同視すべき事由であるが、判定に当たっては、労働者の地位、職責、継続勤務年限、勤務状況等を考慮の上、総合的に判断すべきであり、「労働者の責に帰すべき事由」 が法第20条の保護を与える必要のない程度に重大又は悪質なものであり、従ってまた使用者をしてかかる労働者に30日前に解雇の予告をなさしめることが当該事由と比較して均衡を失するようなものに限って認定すべきものである。「労働者の責に帰すべき事由」として認定すべき事例を挙げれば、(イ)原則として極めて軽微なものを除き、事業場ないにおけ盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為のあった場合。または一般的にみて「極めて軽微」な事案であっても、使用者があらかじめ不詳事件の防止について詣種の手段を講じていたことが客観的に認められ、しかもなお労働shゃが継続的に又は断続的に、盗取、横領、傷害等刑法犯又はこれに類する行為を行った場合、あるいは事業場外で行われた盗取、横領、傷害等刑法犯に該当する行為であっても、それが、著しく当該事業場の名誉もしくは使用を失ついするもの、取引関係に悪影響を与えるもの又は労使間の信頼関係を喪失せしめるものと認められる場合。 (ロ)賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合。また、これらの行為が事業場以外で行われた場合であっても、それが著しく当該事業場の名誉もしくは信用を失墜するもの、取引関係に悪影響を与えるもの又は労使間の信頼関係を喪失せしめるものと認められる場合。 (ハ)雇入れの際の採用条件のホウ素となうような経歴を詐称した場合及び雇入れの際、使用者の行う調査に対し、不採用の原因とねるような経歴を詐称した場合。 (ホ)原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合。 (へ)出勤不良又は出欠常ならず、数回に亘って注意を受けても改めない場合。 の如くであるが、認定にあたっては、必ずしも上の個々の例示に拘泥することなく総合的かつ実質的に判断すること。 なお就業規則等に規定されている微戒解雇事由についてもこれに拘束されることはないこと。」
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Q 労働基準法第37条の定めによると労働者に時間外労働、休日労働、 深夜労働などを行わせた場合に法定の割増率異常の割増賃金支払い義務があることは承知しています。近年新聞などのマスコミ媒体で「割増不払残業」という言葉を目にしたり、聴いたりします。この言葉は「違法に割増賃金を支払わずに、時間外労働等に就かせる行為」であると認識しています。当社においては、コンプライアンス(法令遵守)の観点から、「賃金不払残業」撲滅に取り組んで久しくなり、社員の関心も高くなっています。事案の性質上、世の中の「賃金不払残業」の実態や全容はその把握が困難かとは思いますが、その概要を判明する範囲で教えて下さい。 |
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A 兵庫労働局が、平成23年度に前年度に把握した賃金不払残業について、好評したものがありますので、抜粋ですがご紹介します。 平成22年度の兵庫労働局における賃金不払残業に対する監督指導結果について ~46企業で約5億6千万円を遡及支払い~ 1兵庫労働局(局長 白川鉄也)では、平成22年度(平成22年4月から平成23年3月末まで)に管下11労働基準監督署において、賃金不払残業(所定労働時間外に、労働時間の一部又は全部に対して所定の賃金又は割増賃金を支払うことなく労働を行わせているもの。)があったとして、労働基準法第37条違反の是正を指導し、割増賃金等を追加して支払わせた事案(遡及支払い額が1企業に当たり100万円以上のもの。)について、その結果を取りまとめた。 結果の概要は別紙1のとおりである。 2賃金不払残業の解消対策については、兵庫労働局では、厚生労働省が策定した「賃金不払残業総合対策要網(平成15年5月23日付け)」に基づき、各種対策を推進している。 3 しかしながら、今なお労働時間管理に問題が認められ、是正指導を必要とする事案がみられるため、今後においても、労使が主体的に取り組むべき事項の周知啓発、「労働時間訂正化キャンペーン(11月)」の実施、同キャンペーンの期間中に集中的な監督指導の実施等、労働時間管理の適正化のための各種対策を引き続き推進することとしている。賃金不払残業に対する監督指導による是正結果 (平成22年度における遡及支払分) 1 対象事案 定期監督及び申告に基づく監督を行い、労働基準法第37条に定める割増賃金等の支払いが履行されていないものについて是正を指導した結果、不払になっていた割増賃金が平成22年度(平成22年4月から23年3月まで)中に遡及して支払われたもののうち、その額が1企業の合計で100万以上のもの。 2 兵庫労働局の割増賃金の遡及支払の状況表1 100麺以上の割増賃金の是正支払事案
表2 1000万円以上の割増賃金の是正支払事案
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(1)遡及是正企業数は46企業、遡及支払を受けた労働者の合計は3,575人、遡及支払額の合計は5億676万円であった。 (2)1企業当たりの平均金額は、役1,102万円であり、労働者1人当たりの平均金額は約14万円である。 (3)業種別にみると、企業数は製造業が16企業と最も多く、商業の12企業がこれに次ぐ。 遡及支払を受けた労働者数は、製造業が1,188人と最も多く、次いで教育・研究業の1,132人であり、蓋企業で全体の約65%を占めている。 (4)1企業当たりの遡及支払額が1千万円以上のものは10企業、遡及支払を受けた労働者の合計は2,402人、遡及支払額合計は4億1,500万円である。(1企業当たりの平均金額は4,150万円、労働者一人当たりの平均金額は約17万円) また、業種別にみると、企業数では製造業が4企業でも最も多く、対象労働者数及び遡及支払額では教育・研究業が990人、1億9,559万円で最も多い。3 兵庫労働局の割増賃金遡及支払事案の推移表3 兵庫労働局の100万円以上の割増賃金遡及支払事案の推移
(注)対象事案は、定期監督及び申告に基づく監督 を行い、労働基準法第37条違反を指摘し、各年度(4月から3月末まで)に遡及是正させたものであって、遡及支払額が1件100万円以上のもの。 平成22年度の遡及是正企業数46は、平成21年度の遡及是正企業数と比較して、役48%増加している。 |
Q1 地域別最低賃金はどのようにして決められているの? |
A1 地域別最低賃金は、全国的な整合性を図るため、毎年、中央最低賃金審議会から地方最低賃金審議会に対し、金額海底のための引上げ額の目明日が提示され、地方最低賃金の審議会では、その目安を参考にしながら地域の実情に応じた地域別最低賃金額の改正のための審議を行っています。 なお、地域別最低賃金は(1)労働者の生計費、(2)労働者の賃金(3)通常の事業の賃金支払い能力を総合的に 勘案して定めるものとされており、「労働者の生計費」を考慮するに当たっては、労働者が健康的で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮することとされています。 |
Q2 最低賃金が適用される対象者は? |
A2地域別最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など雇用形態に関係なく、セーフティネットとして各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されます。 それに対し、特定(産業別)最低賃金は、特定の産業の基幹的労働者とその使用者に対して適用されます。(18歳未満又は65歳以上の方、雇入れ後一定期間未満の技能取得中の方、その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する 方などには適用されません。) |
Q3 派遣労働者の最低賃金は? |
A3 派遣労働者には、派遣元の事業場の所在地にかかわらず、派遣席の最低賃金が適用されますので、派遣会社の使用者とその労働者は派遣先の事業場に適用される最低賃金を把握しておく必要があります。 (例1)A県在住のわたし。B県の派遣会社からC府にあるオフィスに派遣されて働いていますが、適用される 最低賃金はどうなるの?? 派遣先の事業場の所在地であるc府の最低賃金が適用されます。 派遣会社の使用者は派遣労働者に対し、派遣先の事業場に適用される最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。したがって、派遣会社は労働者をはけんしている派遣先の事業場に適用される最低賃金額を把握しておく必要があります。 (例2)A県の派遣会社からB府の会社に派遣されて働いているわたし。その会社の業種はB府の「特定(産業別)最低賃金」にあてはまるみたいだけど・・・。 派遣労働者には、派遣先の事業場の最低賃金が適用されます。この場合、派遣先の事業場の所在地であるB府の最低賃金が適用されます。派遣先の事業場に特定(産業別)最低賃金が適用される場合は、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。 |
Q4 最低賃金の周知義務は? |
A4 使用者は最低賃金の適用を受ける労働者の範囲及びこれらの労働者に係る最低賃金額、算入しない賃金並びに効力発生年月日を常時作業場の見やすい場所に掲示するなどの方法により周知する必要があります。(最低賃金法第8条) |
Q 当社では外勤営業員の労働時間を把握するにあたり、みなし労働時間制を採用することを検討していますが、一方で、事業場内で報告書を作成したり、上司とミーティングを行う等の内勤があり、外勤と内勤を合わせると所定労働時間内で収めるのが困難な事態にあります。この場合、どのように取り扱えばよいでしょうか。 |
A 事業場外労働のみなし労働時間制に関する規定は、労働基準法第38条の2にあります。その第1項において、「労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなされることとなっています。このみなし労働時間制は、事業場外で業務に従事し、かつ、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難な業務を対象としています。使用者の具体的な指揮監督が及んでいる場合、すなわち、「事業場において訪問先、帰社時刻など当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場に戻る場合」などはみなし労働時間制の適用はありません。実際、訪問先、用件等の業務計画をあらかじめ作成し、上司の決裁を受けた上で外勤を行うケースは多く、そのような場合にみなし労働時間制を採用している場合は誤った取り扱いであるとえます。さて、ご質問のように、1日の労働時間のうち、一部を事業場外で業務に従事する場合についても、その日の労働時間を算定することが困難な場合には、このみなし労働時間制の対象となります。しかし、ご質問のように、外勤と内勤を合わせると所定労働時間内で収めるのが困難な実態にある場合に、実態を無視して安易に「所定労働時間労働したものとみなす」わけにはいきません。労働基準法第38条の2第1項の但し書きにおいて、「当該業務を遂行するためには通常指定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務にかんしては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。」こととなっています。「当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合」とは、外勤の遂行に通常必要とされる時間と内勤の時間とを加えた時間が、所定労働時間よりも長い場合が該当します。例えば、ご質問のケースにおいて、所定労働時間が8時間で、外勤の遂行に必要とされる時間が6時間である場合に、内勤の時間が2時間を超えて労働した日に外勤に従事した場合にはこれに該当することとなります。「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」とは、通常の状態でその業務を遂行するために客観的に必要とされる時間であり、各日の状況や従事する労働者等によって実際に必要とされる時間には差異があると考えられますが、平均的にみれば当該業務、すなわち外勤の遂行にどの程度の時間が必要かということになりますので、外勤の遂行に通常の状態で客観的に必要とされる時間が6時間であれば、事業場内で労働した時間が3時間である日には9時間、4時間である日には10時間労働したものとみなされます。すなわち、労働時間の一部を内勤した日の労働時間=みなし労働時間制によって算定される外勤の時間+別途はあ行くした内勤の時間となります。なお、労働基準法第38条の2第2項において、当該業務の遂行に通常必要とされる時間について、労使協定を締結していればその協定で定める時間とすることとなっています。外勤と内勤を合わせると所定労働時間内で収めるのが困難な実態にある場合、外勤の遂行にどの程度の時間が必要であるかについては、業務の事態を最もよく分かっている労使間で、その実態を踏まえて協議したうえで決めることが適当だからです。ですから、外勤が取り扱い商品、担当地区等によって類型化され、それぞれごとにその業務の遂行に要する時間に差異があるのであれば、労使協定ではそれぞれごとに時間数を定めることになります。また、どの程度に区分するかについても、労使間でよく協議することが必要になります。よって、実態に即した労働時間の算定を行うために、出来る限り労使協定を締結することが望ましいといえます。なお、労使協定は、協定で定める時間が法定労働時間を超える場合には様式第12号により所轄労働基準監督署長に届け出る必要があります。上記の例のように外勤の時間が法定労働時間を超えないのであれば、届け出る必要はありませんが、外勤と内勤を合わせ法定労働時間を超えることになつときに届け出る時間外労働に関する協定に、この労使協定のの内容を付記して届け出ることもできます。(注:任意です)この場合は様式第9号の2を使用して届け出てください。 |
Q 割増賃金の支払いに関しておたずねします。先日、当社の従業員が年俸制であっても時間外労働や休日労働などの割増賃金の支払いは必要なのではないかといってきました。当社としては、割増賃金分も含めて年俸を決定しているため、割増賃金の支払いは必要ないと考えているのですが、実際のところはどうなのでしょうか。
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A 労働基準法第37条では、使用者が労働者に対し、時間外労働や休日労働を行わせた場合には、割増賃金を支払わなければならないとされています。そのため、年俸制の労働者であっても、時間外労働や休日労働をさせた場合には、割増賃金を支払わなければなりません。
しかしながら、割増賃金相当分を含めて年俸額を決定することができないわけではありません。このことについて行政解釈では、「一般的には、年俸に時間外労働等の割増賃金が含まれている事が労働契約の内容であることが明らかであって、割増賃金相当部分と通常の労働時間に対応する賃金部分とに区分することができ、かつ、割増賃金相当部分が法定の割増賃金額以上支払われている場合は労働基準法第37条に違反しないと解かされる」とされています(平12・3・8基収第78号) つまり、就業規則や労働契約書等で、年俸額に割増賃金相当分が含まれていることが明確に規定されていれば、割増賃金相当分も年俸額に含まれているとみることができるわけです。 例えば、ある月に時間外労働を40時間した場合、その月の割増賃金相当分が30時間分(年間360時間)となっている場合には、年間で見て時間外労働が360時間以内であっても、その月については、別途10時間分の割増賃金の支払いが必要になります。 ご質問では、割増賃金分も含めて年俸を決定していると主張していますが、年俸のうち、割増賃金分が明確になっていない場合には、その根拠がないわけですから、時間外労働などの割増賃金は、年俸とは別に支払わなければなりません。 行政解釈でも、「年俸に割増賃金を含むとしていても、割増賃金相当額がどれほどになるのかが不明であるような場合及び労使双方の認識が一致しているとは言い難い場合については、労働基準法第37条違反として取り扱うこととする」とされています。 |
Q 休業補償給付の事で伺います。先般、当社従業員が鉄材運搬中事故で左足を骨折し、全治一カ月の重傷を負いました。業務上の負傷として労災保険から平均賃金の八割相当額の休業補償がなされると思われますが、当社ではこの八割に二割分を上積みして十割の賃金保障をしようと考えています。しかし、健康保険の傷病手当金は会社が何割かの賃金を支払うとその分だけ減額されるころになっていますが、労働保険の場合はどうなっているのでしょうか。
その点を詳しく教えてください。 |
A 六割未満の賃金支給なら休業補償は全額給付
労災保険法第十四条では、休業補償給付について、「労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のためにろうどうすることができないために賃金を受けない日の第四日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の百分の六十に相当する額とする」としています。さらに、休業に対してはこの休業補償給付に加えて、労働福祉事業の一環として、休業特別支給金が給付基礎日額の百分の二十の額をもって支給されます(労災保険特別支給金支給規則) ところで、ご質問は貴社が休業補償給付に賃金を上積み支給する場合、労災保険の給付が健康保険と同様に制約されるかということのようです。労働基準法第七六条では労働が不能な場合に平均賃金の六割以上の賃金を支払った場合には使用者は休業補償を行わなくてもよいとしています。労災保険法の考え方もこれと同じで、会社が平均賃金の六割以上の賃金を支払えば、その日は「休業する日」とはみなされず、労災保険の休業補償給付は支給されません。逆に六割に満たない額の賃金を支給した場合は、労災保険法から休業補償給付が全額支給されるわけです。 ですから、会社が平均賃金の六割未満の額の賃金を支払ったとしても、労災保険からの支給が制限されるころはありません。極端は話ですが、会社が五割九分の賃金を支払っている場合は、労災保険からの休業特別支給金を含めて合計平均賃金の一三割九分の金額が被災者の手に入ることになるわけです。しかし、各企業での取り扱いを見ますと、ご質問の場合のように休業特別給付金を見込んで二割支給し、合計十割の賃金補償にするという規定が多いようです。 ご質問では、健康保険の傷病手当金のことを引き合いに出されていますが、傷病手当金については、「傷病にかかり、負傷し、又は出産した場合において報酬の全部又は一部を受け入れることができる者に対しては、これを受けることが出来る期間は、傷病手当金又は、出産手当金を支給しない。ただしその受け取ることができる報酬の額が、傷病手当金又は、出産手当金の額より少ないときは、その差額を支給する」(健康保険法第一〇八条)と規定しています。すなわち、傷病手当金は会社から六割未満の賃金支給があれば、その分だけ減額されて支給されるわけです。この点、労災保険の休業補償給付と健康保険の傷病手当金の支給の仕方は異なっていますので、取り扱い上留意することが必要です。 |
Q
通院費は支給されるか。
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A
労働者の方の居住地又は勤務地から、原則として、片道2kmを超える通院であって、以下の1~3のいずれかの要件を満たす場合に通院要した費用の実費相当額が支給されます。
1 同一市町村内の診療に適した労災指定医療機関へ通院した場合
2 同一市町村内に診療に適した労災指定医療機関がないため、隣接する市町村内の診療に適した労災指定医療機関へ通院した場合
3 同一市町村及び隣接する市町村内に診療に適した労災指定医療機関がないため、それらの市町村を超えた最寄りの労災指定医療機関へ通院した場合
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Q
会社が休みの日でも休業補償をもらえるか。 |
A
①業務上の事由又は通勤による負傷や疾病による療養のため、 ②労働することができないため、 ③賃金をうけていない、 という要件を満たしていれば、会社し所定休日分も支給されます。 |
Q 昼休み中に食事のため会社の外に出てケガをした。労災保険が適用されるか。 |
A 休憩時間については、労働基準法第34条第3項により、労働者が自由に利用することが許されており、その間の個々の行為自体は労働者の私的行為といえます。したがって、休憩時間中の災害については、それが事業場施設(又はその管理)の状況(欠陥等)に起因することが証明されない限り、一般には業務起因性は認められませんので労災保険給付は受けられません。 |